異国の地「ソマリア」に行って日本に生まれたことに感謝した
僕は海上自衛官として勤務していたときに「ソマリア沖海賊対処行動」という実任務に派遣されたことがあります。
ソマリアなんてお金出して旅行に行く人なんて絶対いないと思います。
厳密に言うと、ソマリア沖で航海の任務に着いていましたが、ひとときの休日を過ごすのは「ジブチ共和国」という国。
この国の現状を見て、日本に生まれたことに本当に感謝しました。
こどもたちは当然のようにアスファルトの上を肌足で歩いているし、日本人を見れば必ず物乞いしてきます。
物乞いをしてくるこどもたちは、顔にハエがとまっていても気にすることなく、一目散に日本人に寄ってきます。
顔なじみになるこどももいるくらいでした。
日本円でいう100円位の小銭をあげると喜んで帰っていきます。
笑顔で「センキュー」といいながら。
そしてこのジブチ共和国には、富民層しか入れないデパートがあります。
自衛官はこのデパートに入ることができるのですが、ある程度の食料や飲料は揃っています。
でもここで衝撃的だったのが、購入したジュースにカビが生えていたこと。
当日買ったものにカビが生えているなんて日本じゃありえません。
あと、パンにも生えていました。
当然のように新鮮なものが食べれることに深く感謝しました。
そして、ジブチのタクシーは、日本車がほとんどです。
ホンダがたくさん走っています。
海上自衛隊が停泊する港の門の前には、タクシーの集団。
自衛官が中心街にでるためにはタクシーを利用します。
門からでてきた自衛官を我先にと、ドライバーたちのキャッチ行為が始まります。
どのようにアピールしてくるかというと、タクシーの内装を見せつけてくるのです。
「他のタクシーよりいかしてるだろ?」
的なニュアンスで話しかけてきます。
正直僕たちは内装なんかより、値段で決めます。
門の前から中心街までの相場がだいたい決まっており、確実にその相場で行ってくれそうな信頼できそうなドライバーを見つけます。
中には、相場の値段で良いと言っておきながら、街に着いたら値上げしてくるやつもいます。
何回かのったことのあるドライバーがいたら、そのドライバーに決めます。
僕は仲良くなったドライバーがいて、たまにチップをあげたりもしました。
中にはいいやつもいるんです。
このソマリア派遣は、人生のいい勉強になりました。
本当に貴重な体験ができました。